reminnkaのブログ

流れる空へ向けて本棚を解放する

Debridement  空とわたしと本棚と    Avr 2019 ②

f:id:reminnka:20190408140454j:plain

 

 4月は春の真っただ中のはずなのだけれど、

薄手のコートでは間に合わないくらい、

その肌寒さに思わず震える日もある。

 

春のはずなのに冷たい雨が降り、

ひとり重い鞄を手にしながら、

不安な気持ちを抱えて傘を差す日は特に、

心細さで顔がゆがむ。

 

前向きな気持ちでいることは

本当に大変なことだけれど、

マスクの下で必死にこらえていても、

今自分のいる状況にめまいを覚えていても、

空はきっと大きく流れている。

その流れは決してくるくると渦巻いてなんかいなくて、

ゆったりと、あのサバンナの雄大な草原のなかのように、

自分を包み込みながら大きく、流れている。

 

 

この絵本のなかの時間も、また同じように

ゆっくりとあわてず、やわらかに流れている。

 

自分の大事にしていたものはいつか失われ、

あるいは、やがて変わっていくかもしれない。

でも、必ず、また、大切にしていきたいものにめぐりあって、

いとおしく思える日々がやってくる。

そのあたたかく流れるときのなかで。

f:id:reminnka:20190408142028j:plain

 

わたしのぼうし

 

作・絵  さの ようこ

(1976 ポプラ社

 

Tea point

バニラアイスクリームと缶詰のさくらん