Debridement 空とわたしと本棚と Juillet 2018 ⑦
台風のあとの空のもようは複雑だ。
全てをすっきりさせたわけでもないのに、無理をして平然と努めている
のに、少し似ている。
夏に病院に足を運ぶことが多かったせいか、
夏の冷房は病院のなかの密閉された空間を連想させる。
何度も読み返したじょーじの本、
世代的には、ひとまねこざるのじょーじ、という表示が
一番しっくりくる。
とんでもないハプニングを引き起こしたあとでも、
悪意がないものであれば、別方向からの見方で救ってもらえる。
失敗がすべて丸ごと悪ではないことを、
あたたかく提示してくれる大人の存在は心にしみる。
そんなぬくもりと寛容さを受け止めて、ひとはまた
一歩前へ勇気をもって進んでいけるのだ。
ひとまねこざる びょういんへいく
文 マーガレット・レイ
絵 H・A・レイ
訳 光吉夏弥
(1966 岩波書店)
Tea Point
ほうれんそう、いりたまご、いちごのじゃむ