Debridement 空とわたしと本棚 Juillet 2018 ⑥
暑い日々が立て続けに到来したあとの、ちょっとした
風の涼しさは、びっくりするほど穏やかに、静かに感じられる。
冷房による冷風とは全く異なる心地よさに、
はっと気づかされるひと時でもある。
台風を前にした少し不安げな空の色は、自分の状況を映しているようで
心も重たい。
まるで自分以外の誰かがもまれてまるめられまた強くひきのばされているようで、
息をしているのが誰なのかもわからなくなる。
水泳が苦手で、プールの授業の一日や時間がとてもつらかったころの記憶と
重なる。
息継ぎのための息継ぎがうまくできずに苦しくて、
泳いでも泳いでも、なかなかすぐには上達できなかった。
大人になっても、やはりそんな状況は多々出現するのだろうか。
この本の少年のように、いつかコツをつかみ、
自然と前へ前へと進めるように生きていければと、大人になったいまも
なお思う。
およぐ
なかの ひろたか さく
(1978 福音館書店)
Tea Point
夏休みのプールのあと、
家に帰って決まって飲んだヨーグルトドリンク