Debridement 空とわたしと本棚 Août 2018 ①
8月の空はおもったより浅い。
でも、それだけ雲の存在感がおおきくて、そびえたつ。
そして今年の夏は長い。
7月からしっかりとした暑さと日差しが続き、
8月はその疲労をひきずってなお、歩き続けている。
夏の高揚感はどこへいったのだろう。
昔の夏休みは、休み前に図書室や図書館で本をたくさん借りて、
夏の間にゆっくりとひとつひとつの世界に浸っていくのが楽しみだった。
夏の本の入り口に足を踏み入れると、そこから瞬く間に世界が変わり、
今まで見えていた部屋や景色が違ったものにみえて、
他のいろいろなことが乗り越えられそうな気がしてきていた。
これは夢想でも逃避でもなくて、自分のいる場所とは別の、
確固たる居場所を築くための大切な作業なのだ。
7冊のナルニア物語の中でもいちばん、夏によみたい物語。
海の冒険はいつ読んでも胸が高鳴る。
上品で趣のある挿絵も、世界観にぴったりの気がする。
朝びらき丸 東の海へ
C.S.ルイス 作
瀬田貞二 訳
(岩波少年文庫 1985)
Tea Point
ほかほかと湯気をあげているオムレツ、
子ヒツジのひやし肉にグリンピース、
イチゴアイス、間に飲むようにレモンスカッシュ、
あとで飲むようにココアいっぱい。
(~コリアキンの食卓 「朝びらき丸 東の海へ」岩波少年文庫、瀬田貞二訳より)