Debridement 空とわたしと本棚と Juin 2018 Ⅹ
梅雨の空は変わり映えがしない。
とはいっても、ほんとうは、その無表情のなけしきのおくに、
細かで流れゆく絶え間ない変化が隠されている。
でも、のっぺりと、まるで広げた灰色のネルのように、
そこからは何一つ読み取ることもうかがうこともできない。
身動きひとつとれずに、圧迫感さえ覚えたら要注意だ。
途切れた思考と想像力のネジに潤滑油を注いで、
こころをたくましく再生させてくれる本と出会い、
どこかにそっと積み上げておかなくてはならない。
キンダーおはなしえほん3
はな と ひみつ
文=星 新一/ 絵=和田 誠
株式会社フレーベル館(1978)
Tea Point
はなのみつ