Debridement 空とわたしと本棚と Juin 2018 Ⅶ
雨や曇りの日が続くと、髪の毛からこころを通過してつま先まで
じっとりと水に濡れそぼっている気持ちになる。
右も左も、行く手も、しとしとと雨に遮られ、うしろを振り返っても
雨ばかり・・・。これに霧でも加わると、また雰囲気も変わるのだろうが、6月の湿った雨粒と空気はべったりと張り付くだけで、
なかなかさらりと過ごさせてはくれない。
こんなときは、難しくてこんがらかる文字や数字をわきに置いて、
思い切って幼心に帰るのがいちばん。
色とりどりの傘を眺めていると、やわらかな甘いかおりと、
ふかふかのじゅうたんにくるまれた心地よさが心を満たす。
小さいころ、香りのついたペンを持っていて、5色それぞれの違う香りに、うっとりしたものだった。
色彩と香りとは、わりあいしっかりと結びついているのだ。
みみちゃんのかさ
きし まり さく・え
(福武書店 1986)
Tea Point
みみちゃんのかさの色から連想するいちごミルクジュース