Debridement 空とわたしと本棚と Nov 2018 ①
そらの高さと色はいつのまにかうつりゆき、
気づけばもう今年も終わりに近づいている。
冬はもうすぐそこなのに、まだまだ秋の気分はぬけない。
傷をうけることが多すぎるこの世のなかで
だれかのせいにして傷口をうめようとしても
なかなかうまくいかない。
誰かにやさしく慰められても、自分の不甲斐なさで
さらに身悶えるばかり。
でも、考えれば考えるほど、血は流れ出る。
こんなときは自分の殻に閉じこもるより、
だれか別の人が作ってくれた殻に避難するのが、
いちばんの解消法かもしれない。
時期としては少し早いけれど、
冬至の訪れのまえには必ず手に取っておきたい一冊。
肌寒く日も短くなったこの季節、
秘密の世界のなかに存在するさらなるひみつのとびらは、
誰でも一度は迷い込んでみたい特別な世界への入り口。
ひみつのかいだん
ジル・バークレム 作
岸田 衿子 訳
(1983 講談社)
Tea Point
キャラウエー・ビスケット