Debridement 空とわたしと本棚と Juin 2018 Ⅰ
若々しい5月の明るさは途切れ、どこか不安げな空気漂う6月が始まる。
しめった大気とよそよそしい風にまとわりつかれ、くもりのない光を放つ太陽はしばらく姿を消してしまう。
そんな空のもとで、ブルーベリー森の小さな世界が広がっているかと思うと、少しだけ、心にやさしい希望が芽生える。
ブルーベリーのひかえめな甘いかおりは、6月の紫陽花のドレスにさっと飾られた、藍色の宝石の粒のように美しくこぼれる。
真っ青な一粒にもしっとりとたくさんの心地よい夢が詰まっている。
もちろん、きゅっとするような、可愛らしいこけももの実ひとつひとつにも・・・
ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん
エルサ・ベスコフ作・絵
おのでらゆりこ 訳
(福音館書店 1977)
Tea point
こけももかあさんの こけももはちみつ